ベルギーで迎えたサマータイム終了日|時計が1時間戻る瞬間とその歴史

ベルギー生活
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こんにちは、ベルギー在住のかずです🐈

昨日、ヨーロッパではサマータイムが終了しました。初めての経験だったのでこの経験もブログに残そうと思いました。ちょっとだけ勉強したのでお付き合いください。

サマータイムとは


毎年10月の最終日曜日、深夜3時に時計の針が2時へと戻ります。わずか1時間の違いですが、その一瞬に「夏の終わり」を感じる地域も多いでしょう。特にベルギーのような欧州諸国ではこの制度が長く定着しており、人々の生活のリズムにも深く関わっています。

もちろん、すべての時計が自動で切り替わるわけではありません。マックブックアイフォンのようなデジタル機器は自動調整されますが、壁掛け時計や腕時計などは手動で戻す必要があります。前夜寝る前に針を1時間戻す習慣がある人もいれば、翌朝「あ、そうだった」と気づいて慌てて直す人も。(いるとかいないとか)そんな小さな混乱も、サマータイム終了日の恒例行事(だとかではないとか)です。

さて、このサマータイム(英語ではDaylight Saving Time)は、もともと「限られたエネルギーを効率よく使う」という発想から生まれたそうです。その始まりは18世紀末、アメリカ建国の父ベンジャミン・フランクリンの提案にまでさかのぼります。彼はパリ滞在中に書いたエッセイ「光の費用を減らすための経済的提案 (An Economical Project for Diminishing the Cost of Light)」の中で、「朝早く活動すればロウソクの消費を減らせる」と説いていました。当時は冗談交じりのアイディアでしたが、後にこの考えが「日の出に合わせて生活の時間を動かす」という実務的な制度として発展したのです。

導入の話

制度として最初にサマータイムを導入したのは第一次世界大戦中のドイツ🇩🇪とオーストリア=ハンガリー帝国(1916年)でした。戦時下の燃料節約を目的に採用されたこの仕組みは、各国に広がっていきます。イギリス🇬🇧、フランス🇫🇷、カナダ🇨🇦、そしてアメリカ🇺🇸もその流れに続きました。第二次世界大戦中には「昼の光を無駄にしない」ための省エネ策として再導入され、1970年代のオイルショックを経て再び脚光を浴びます。その流れが続き、今ではヨーロッパや北米を中心に世界の約60カ国がサマータイムを実施しています。

サマータイムの賛否

では、なぜいまだに議論が続いているのでしょうか。
エネルギー節約という初期の目的は、照明技術の進化によって効果が薄れたとも言われています。また、時間の切り替えによる健康への影響—睡眠リズムの乱れや心臓疾患リスクの増加—が近年問題視されています。実際、EUでは「サマータイム制度を廃止すべきかどうか」をめぐる議論が2019年以降本格化し、各国が独自に存続・撤廃を判断できる流れへと変わりつつあります(ベルギーは現在も継続中)。

最後に

サマータイムの終わりには「1時間多く眠れる」というちょっとした得もありますが、同時に、夕方の日の入りが一気に早くなり、街の明るさにも“冬の訪れ”を感じる季節です。人々がコートを羽織り始めるちょうどこの時期、街の空気もどこか落ち着きを帯びてきます。

今日もベルギーの朝は、先週よりも少し長く感じる静けさでスタートしました。
時計を1時間戻すだけで、季節の空気まで変わってしまう。そんな風に感じられるのも、ヨーロッパならではのサマータイム文化かもしれませんね。

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